スペシャルドラマ 氷点 第01話

前編／北海道・旭川にある『辻口病院』の若き院長・辻口啓造（仲村トオル）は、美貌の妻・夏枝（飯島直子）との間に一男一女をもうけ、幸せな家庭を築いていた。だが、昭和21年7月、3歳になったばかりの長女・ルリ子が殺害されてしまう…！啓造の留守中、夏枝が病院の勤務医・村井靖夫（北村一輝）の思慕の言葉に耳を傾けている間の出来事だった…。しかも直後、殺害犯の佐石土雄（吹越満）が留置所で自ら命を絶ってしまう。怒りの矛先をどこに向けてよいのか、啓造は苛立つ。そんな中、夏枝はルリ子のかわりに、女の子を引き取って育てたいと言い出す。夏枝の願いを聞き入れ、友人の産婦人科医・高木裕介（陣内孝則）が営む乳児院に向かった啓造。そんな啓造に対し、高木は驚きのひと言を口にする。「実は、佐石の娘がウチの乳児院にいる。お前なら“汝の敵を愛せよ”という教えを、実践できるんじゃないかな。お前なら、佐石の娘を育てられると思うんだ」。いったんは、「オレはそんな聖人じゃない」と断った啓造だが、自分の留守中、またもや夏枝が村井と逢引きしたと思い込んだ啓造は、夏枝への屈折した憎しみから、殺人者・佐石の娘を引き取ることに決める。「何も知らずに育てた子が、いつの日か犯人の子と知ったとき、夏枝は打ちのめされるだろう。私の生涯をかけての復讐だ」…。