ふたり
北尾家はサラリーマンの父・雄一(蟹江敬三)、母・治子(田中好子)、長女・千津子(一色紗英)、次女・実加(奥菜恵)の4人家族。姉の千津子は美人である上に成績優秀、スポーツも万能。気立てもよく、誰からも親しまれる性格で、高校では演劇部の部長を任されていた。一方の実加は、おっちょこちょいで、引っ込み思案。自室に閉じこもって小説を書くのが趣味で、常に出来のよい千津子と比べられ、どうせ私はダメなんだと考えがちの女の子だった。千津子17歳、実加が16歳を間近に控えた春、実加は姉の通う高校に合格。4月からは、姉妹一緒の高校に通うことになった。だが、うれしいはずの合格発表の夜、なにかにつけて千津子を頼りにする母・治子が「“まさか”実加が合格するなんて」と口にしたのに、憤慨。実加は祝いの席を飛び出してしまう。そんな実加に、千津子は「実加には本当は私なんかより才能があるのよ」と励まし、合格祝いのプレゼントの包みを渡した。箱の中には、綺麗な布で作られた、千津子とおそろいのバレッタ(髪留め)がおさめられていた。