後宮の烏 第11話

後宮の烏 第11話

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第十一話 布石(ふせき)/薛魚泳は寿雪に忠告をする。情けは愛とは違う。高峻とこれ以上親しくするべきではない。烏妃は何も望んではならないのだからと。
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後宮の烏 第01話

後宮の烏 第01話

第一話 翡翠(ひすい)の耳飾り 前篇/烏妃(うひ)は、妃でありながら夜伽をしない特別な妃である。呪殺、祈祷、失せ物さがし、頼まれればなんでも請け負うが、会えば災いがあるとも言われている。後宮に住んでいるが詳しいことは誰も知らない謎めいた存在だ。夏王朝(かおうちょう)の皇帝・夏高峻(かこうしゅん)は、烏妃の住まう夜明宮へと足を踏み入れる…。
後宮の烏 第02話

後宮の烏 第02話

第二話 翡翠(ひすい)の耳飾り 後篇/高峻に頼まれた寿雪は、翡翠の耳飾りに取り憑いた幽鬼のことを調べていた。耳飾りの持ち主は班鶯女(はんおうじょ)。十年ほど前、三の妃を毒殺した疑いをかけられ、首を吊って亡くなっていた。その死の真相を突き止めるため、侍女に迎えた九九(じうじう)とともに、班鶯女の側仕えをしていた蘇紅翹(そこうぎょう)がいる…。
後宮の烏 第03話

後宮の烏 第03話

第三話 花笛(はなぶえ)/鴛鴦宮に住まう後宮最上位の妃、花娘(かじょう)が夜明宮にやってきた。花娘は、花笛がなぜ鳴らなかったのか知りたいという。花笛とは冬の終わり、その年に亡くなった者を弔うため、軒先に吊るしておくものである。春の訪れを告げる風とともに死者が還ってきて、笛を鳴らすと言われている。花娘は恋人だった欧玄有(おうげんゆう)を亡くした時…。
後宮の烏 第04話

後宮の烏 第04話

第四話 雲雀公主(ひばりひめ)/夜明宮に雲雀の幽鬼がやってきた。未練があり、楽土へと渡れないらしい。不憫に思った九九は寿雪に雲雀を救ってほしいとお願いした。寿雪は雲雀を飼っていた雲雀公主(ひばりひめ)のことを調べる。宮女に話を訊いて回っていると、とある世間話を耳にする。それは、下げ渡される反物などがない宮は侍女にとってはずれであるということだ…。
後宮の烏 第05話

後宮の烏 第05話

第五話 懐刀(ふところがたな)/高峻の寝所に夜な夜なふたりの幽鬼が現れる。それが原因で憔悴していく高峻の身を、衛青(えいせい)は案じていた。烏妃に相談してはどうかと勧めるが、他言無用だと口止めされるばかりである。その理由は幽鬼にあった。高峻の母と、親しかった宦官・丁藍(ていらん)だったのである。高峻はふたりの死に対して、自責の念にかられていた…。
後宮の烏 第06話

後宮の烏 第06話

第六話 夏の王、冬の王/皇帝の住まう凝光殿(ぎょうこうでん)の庫(くら)には、幽鬼が身につけていた縞瑪瑙(しまめのう)の玉珮(ぎょくはい)が納められていた。その持ち主は明珠公主(めいじゅこうしゅ)。欒王朝最後の皇帝の娘であった。庫にはその絵姿も残っていた。そこで寿雪は明珠公主と、ある人物の絵を目にする。一方、歴史書を紐解き…。
後宮の烏 第07話

後宮の烏 第07話

第七話 玻璃(はり)に祈る/前王朝の血を引く冰月(ひょうげつ)と明珠公主は、結婚の約束を果たせないまま戦の中で亡くなった。死後、幽鬼となった冰月は、同じく幽鬼になりさまよう明珠公主を柳の下で見つけたが、呼びかけても反応がない。その公主を救うため、冰月は楽土へ渡らず留まり続けていたのである。手を尽くしたが公主は呼びかけに応えてくれないままだった…。
後宮の烏 第08話

後宮の烏 第08話

第八話 青燕(あおつばめ)/青燕の羽根を持つ少年の幽鬼を救ってほしいと頼まれた寿雪。調べを進めると、衣斯哈が先輩宦官たちに折檻されている場に遭遇し…。
後宮の烏 第09話

後宮の烏 第09話

第九話 水の聲(こえ)/亡くなった妃・西婉琳を救ってほしいと依頼に来た宮女の安ケイ蘭。しかし寿雪はその訴えの裏にあるケイ蘭の真意を見抜いていた。
後宮の烏 第10話

後宮の烏 第10話

第十話 仮面の男/高峻が珍しく寂しそうな顔をみせた。そのことがどうも気にかかるが、寿雪はその理由を問うことができない。数日後、高峻が幽鬼の取り憑いた面を持って夜明宮に顔を出す。幽鬼は異国渡りの琵琶の音に反応するらしい。その琵琶を高峻が用意することで話がまとまる。話を終えた高峻は帰ろうとするが、寿雪はつい引き止めてしまう。