烏は主を選ばない
選びとるのは、ただひとり。原作は、阿部智里による人気ファンタジー小説「八咫烏(やたがらす)シリーズ」。人の姿をした八咫烏の一族が支配する異世界・山内(やまうち)を舞台にした和風大河ファンタジー。美しくも風変わりな若宮の側仕えに抜擢された少年・雪哉(ゆきや)。陰謀渦巻く宮中でさまざまな事件に遭遇するなかで、若宮と奇妙な主従関係を結んでいく。
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烏は主を選ばない 第11話
第11話 「忠臣」/血筋ではなく、自分そのものを見てくれたただ一人の主。雪哉が若宮に寄せた信頼と、その裏切り。やるせない思いを吐露する雪哉を、路近がある人物の元へと案内する。真の忠誠とは。忠臣とは。その男が身を焦がした、狂おしいほどの“金烏(きんう)”への思いは、少年の心に何を刻むのか。やがて、再びの春。ついに若宮が后(きさき)を選ぶため…。
烏は主を選ばない 第12話
第12話 「后(きさき)選び」/春たけなわの桜花宮(おうかぐう)。桜が舞い散る花見台で、雪哉が后(きさき)選びの開始を宣言した。若宮に指名されたのは、北家の姫・白珠(しらたま)。愛する人を喪い虚ろになった白珠は、それでもなお、入内にかける悲壮な思いを口にする。若宮はそんな白珠に、ある事実を突きつけるのだった。
烏は主を選ばない 第13話
第13話 「烏(からす)に単(ひとえ)は似合わない」 /「宮中は血の歴史そのものだ」と若宮は言う。登殿(とうでん)に至る経緯、届かない文、転落死した早桃、秋殿に侵入し、殺された男。隠された真実が若宮によって暴かれ、ひとつの恐ろしい結論へと導かれていく。忌まわしい后(きさき)選びがもたらした悲劇の顛末は。そして、最後に選ばれた姫の名は……。
烏は主を選ばない 第14話
第14話 「禁断(きんだん)の薬(くすり)」/若宮との別れから2か月。近習の役目を辞し、故郷・垂氷(たるひ)に戻った雪哉(ゆきや)は、再び“ぼんくら次男”として平和で退屈な日々を過ごしていた。だが突如、垂氷郷に正気を失った大烏が飛来。住民を襲いはじめる。逃げ遅れた者をかばい窮地に陥る雪哉を救ったのは、よく見知った美しい青年だった……。
烏は主を選ばない 第15話
第15話 「生き残った少女」/栖合(すごう)の村を襲撃し、住民を喰らいつくした大猿。雪哉たちとの戦いの最中、猿は八咫烏と同様に転身し、人の姿をとってみせた。おぞましい獣たちは、この場所以外にも潜んでいるのかもしれない。北領からもたらされた凶報に、宮中は騒然となる。栖合の生存者は、小梅(こうめ)と名乗る少女ただ一人。
烏は主を選ばない 第16話
第16話 「藤の矢」/中央にある小梅の実家へと向かった雪哉たちは、小梅の父の仲間と称する不審な男たちに囲まれる。ところが、若宮の名を出した途端、男たちは「地下街の鵄(とび)から連絡が行く」と言い残して去っていった。事態を報告するため、雪哉は若宮の住まう招陽宮へ赴くが……。不知火を消し去り、咲き乱れる藤の花々。“真の金烏(きんう)”たる若宮の…。
烏は主を選ばない 第17話
第17話 「地下街の王」/北家当主の孫として地下街随行を命じられた雪哉。若宮を押しとどめ、名代として交渉に臨む長束(なつか)だったが、頭目の鵄(とび)は無情にも会談の中止を告げる。故郷・垂氷(たるひ)を蹂躙した猿の手がかりを、なんとしても見つけたい。必死に訴える雪哉の前に、一人の翁が現れた。彼が示したのは、封鎖された深い穴の奥。
烏は主を選ばない 第18話
第18話 「外界」/猿の猛追から逃れ、道なき道を進む雪哉と若宮。雪哉が手にした“白いカケラ”の正体に、若宮は確信めいたものを感じていた。しるべの糸が途切れたとき、異常な現象が二人を襲う。時間や方向の感覚を失わせ、侵入者を死に至らしめる洞穴から、二人は脱出することができるのか。
烏は主を選ばない 第19話
第19話 「涸れ井戸」/父・治平(じへい)の変わり果てた姿に、涙を流す小梅。悲しむ彼女の傍らで、雪哉は言いようのない違和感を覚える。吊られた遺体にくくりつけられた治平の文には、中央山の古井戸に潜む“何か”について書かれていた。その正体を確かめるため、雪哉は若宮とともに井戸へ向かうが……。
烏は主を選ばない 第20話(最終話)
第20話 「黄金の烏」/逃げた小梅を追い、雪哉と若宮は北領へと向かう。猿と仙人蓋(せんにんがい)をめぐる事件の謎がついに解き明かされるも、瞬間、若宮の身を凶刃が貫く。主を守れず、己を責める雪哉。厳しく尋問する長束(なつか)に対し、女は冷酷に笑うのだった。やがて、雪哉は“真の金烏(きんう)”に課された過酷な宿命を知る。垂氷(たるひ)の雪哉が…。